workdays by Syusay 毎週の関心事を綴ってます

SD1の後継マダー? 大型プリントの話。

+ No comment yet
冬といえば物欲のシーズン(私だけ?)…なのだけど、コレといって決め手になる機材がないよ〜というお話をしてみようと思います。なお、B0などの大型プリント作成を念頭に置いてます。だらだらとマニアックな感じの内容です。おひまでしたらどーぞ。


大型プリントを作る時、どのくらいの品質でOKとするかは人それぞれです。私なら自然風景を大判フィルムで撮影したものをメートル級に出力した作品、具体的には故・天野尚氏の作品が理想であり基準です。私が贔屓しまくっているSIGMAのFOVEONセンサー搭載カメラでも、この基準に照らすと大変厳しいです。SIGMAのカメラも4x5とは良い勝負になりそうですが、天野氏は多くの作品が5x7で、私が特にいいなと感じるものは11x14で撮影されたものです。ちなみに最大のものは8x20で、これはフジフィルムが世界で唯一、天野氏にだけ提供していたという特大のフィルムです。これのプリントサイズは1.5x4mだったかな。さすがに目指すとなったら夢のような話です。自分でも大型プリントを作るので差がよくわかるのですが、dp Quattroでも5x7には勝てない。というより、現状ではどんなデジタルカメラも4x5以上のフィルムには勝てないですね。


勝負事のように書くのも変な話ではあるのですが、この勝てない理由としてはデジタル・フォト・デュプリケーティングがあるからですね。方法を簡単に書くと、フィルムを等倍マクロレンズで撮影していき、それらをつなぎ合わせて一枚の写真にするのです。まぁ、スキャンの一種です。これだとデジタルカメラの進歩に比例してスキャンのパワーも高まるので単純にデジタルとフィルムどっちがいい?って話にはならないのです。特に近年は高解像度のデジカメによるデュープがドラムスキャンに比肩するまでになってきたというので、私などはかえってフィルムを再認識している次第です。粒状性はあるのだけど、解像力と色の分離の両面でここまで優れているものはデジタルセンサーには存在しない。

そんなわけでSD1の後継に期待して1年以上も経つのですが、全然ウワサも聞こえてきませんね。でも計画の難しさはあると思うのですね。ここで一つ、大型プリント用のデータの例をお見せします。


SD1 Merrillで撮影。元データは横幅が4704ピクセルですがブログに合わせて1600ピクセル画像の可変表示になってます。ググッと拡大してある枠内が参考用なのですけども、私の基準ではこれでB1はいけます。丁寧に仕上げればA0にも届くかもしれない。B0は無理。標準的なプリント品質を基準にするとディスプレイでの等倍鑑賞というのがA3ノビからA2のプリントに相当します。なのでディスプレイ上でドットが見えそうなくらいまで拡大してプリントサイズの限界を求めます。等倍鑑賞の段階でディテールの嘘や色収差が見えるようなデータでは大型プリントは作れません。悪い部分が拡大されて目立ってしまうからです。

この例では特に解像力のあるレンズ、35mm F1.4 Artを使っています。絞りは解像力の高まるF4です。反対に、気象条件が厳しかったのでISO640、手持ちだったのでSS1/60と、この辺がプリントサイズを大きくできなかった理由です。大型プリントを作るには三脚が必須で、一眼レフならミラーアップ撮影しないと最終的なプリント品質が低下します。この条件でB1プリントを作れるというのはレンズの素晴らしさを讃えたいところ。17-50mm F2.8 OSではF5.6の三脚・ミラーアップで撮ってもA3か、頑張ってもA2です。

dp Quattroはこの一段上をいきます。コンスタントにA0を狙えますし、条件が整っていればB0もいけるレベルの画質です。ただし、単焦点レンズは作品の制作プロセスを考えないと落とし穴がありますね。トリミングです。35mm F1.4Aは中距離に弱いことがあるのですが、そこを仕方なくトリミングして使うとアウトだったりします。例えば17-50mmの44mmでピタッと被写体を切り取った方が品質が良かったりするのです。フィールド撮影で足場がないと、被写体によってズームするかトリミングするか選ばなきゃいけないのですね。

「1mの壁」と私は呼んでいるのですけど、品質を保ってプリントする上でB0は難関です。A0やB1の長辺は1mちょっとで、難しいは難しいのだけどSD1とArtレンズがあれば十分に狙って撮影できます。ところがB0の長辺は1.4mもあり短辺も1m越え。こうなると途端に難しくなるので「壁」なのです。

今、何とかこれをクリアしてコンスタントにB0プリントを作りたいと考えています。解決策として手っ取り早いのはdp Quattroです。でもトリミング必至となればA0やB1にサイズダウンする羽目に。それならSD1でレンズを揃えていく方が後々は幸せかもしれない。マウント交換サービスを利用すればEOS 5Dsで使えたりもするのでしょう?自然風景なら断然フィルムかFoveonだけど、都市景ならベイヤーもありですから。ただ、もしもですよ、SD1の後継が35mmフルサイズになりでもしたら、これまでよりも広く写るわけですからA0がB0にサイズアップできるかもしれない。まぁ、それはないなと思っているのですけれど。

マニアックなこと書くと、大判カメラのようなアオリ撮影ができると良いですね。APS-Cは被写界深度を稼げるのは良いのですけど、パース補正まではできない。必要な時はデジタルで補正をするのだけど、せっかく整っているピクセルを並び替えるもんだからディテールが甘くなるように感じる。一応、SD1にはチルトシフト可能なマウントアダプターというのがあってハッセルブラッドのVマウントレンズを使えるのだけど、Vマウントレンズが最先端のArtレンズほどの解像力を持っているか疑わしくもあり、しかも換算で中望遠以上しかないし、その条件でチルトってすごく使い道が少ない気がする。ディスタゴン40mmでチルトすれば集合写真を無補正でいけるかもしれない、とかそのくらい。集団に正対した時の換算60mmの距離感って声が通らないくらい遠いのですけれどね。

今後のこととして、いろいろ想像を膨らませています。新型のマクロレンズが出るなら大判フィルムをFoveonでデュープするとか、いや、dp0の方がシンプルだとか、やっぱり24-105mm F4は仕事にも趣味にも使えるしコスパ最高だよねとか。スキャナもデスクトップもプリンタも、なんて欲張りなので、なんとか優先順位をつけたいですね。去年の暮れ頃にもそんなこと書いてて、結局のところ春以降はオールドライカと中判フィルムカメラにお金を注いでしまったので、決断できないと別なところにお金が流れてしまうということがよくわかりました(あるいはクルマのタイヤ買ったりね)。

さー、どうなるのでしょう!

コメントを投稿